ステージ4の人を目の前にして
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今日、遠方からいとこたち家族が訪ねてきました。
私が最後にいとこに会ったのは2年前の春
遠方に暮らしていることもあって、私たちは年に一度の年賀状のやり取りだけで随分と疎遠になってしまっていたにも関わらず、2年前、私がいとこの住む街の病院に入院することになった時には、快くあれこれと手を貸してくれました。
いとこの子供と私の子供の歳が近かったこともあって、お互いの子供たちが幼かった頃には、今よりは頻繁に行き来していたのだけど、子供たちの成長と共に、それぞれが忙しくなって、徐々に疎遠にはなってきたというモノの、それでも細くつながっていたおかげで、実家を頼りにできない私にとっては唯一頼りになる存在だったいとこ
そんないとこが今年の春にステージ4のガンであることがわかり、余命2年だと宣告されていたことを、彼の姉から聞いたのが9月の終わりのことです。
滅多に私のところに電話などしてこないいとこの姉が、いとこの家族全員と一緒にうちに来ると聞いた時は、高齢である私の母の先行きを思って、今度いつ会えるかも知れないからという名目だったのだけど、そんな事情で実は、いとこ自身が今のうちに色んな人に会っておきたいという思いを知りました。
そのいとこたち家族が、雨の降りしきる中、成長した彼の息子の運転で我が家へやってきたのが今日の昼近く
私はいとこの姉から彼の病状や余命のことは9月の終わりに聞いていたのだけど、本当はいとこから口止めされていたことで、私は何も知らないことになっていました。
彼らは予定通りの時間にうちに着いて、玄関先で彼を迎えた時には、私はどんな顔をしていいのかわかりませんでしたが、明らかに覇気がない彼の顔を見て、「なんや〇〇君、顔色悪いな」と言ってしまいました。
人の様々な事情について、知ってて知らん顔をすることは、相手を思いやる意味で大事なことだと先日もブログで書いたことだけど、いとこのあの顔色を見て力のない声を聞いたら、さすがに知ってて知らん顔もできず、正直者の私はつい正直な思いが口からでてしまったというわけです。
だけど、久しぶりに彼の顔を見て、迂闊にも開口一番私が言ってしまった言葉が、彼にとっては病気のことを告白しやすいムードになったのか、「実は俺なぁ、ステージ4のガンなんや。あと2年しか持たんらしい。来年は来れんかもしれんと思ってな」と、ついに彼の口からその事実を聞くことになったのです。
今日彼の口から聞いたことは、すでに全部彼の姉から聞いていたことです。
それを今日初めて聞くような顔をして彼の口から聞くのも苦痛なことでした。
病気や余命のことから始まり、今どんな治療をしていて、3月には6人目の孫が生まれることも聞きました。
いとこは顔色も悪かったし声に力もなかったけれど、お昼に洋食屋で食べた炭火焼ビーフハンバーグランチは、「美味しい、美味しい」と言って全部平らげていたし、帰りしなうちで用意していたシュークリームも美味しそうに紅茶と一緒にパクパクと食べていて、この先に起こるだろうことが信じられないほどでした。
彼は以前勤めていた会社を退職した後、2年ほど健康診断を受けていなかったらしく、その2年の間に病気がどんどん進行してしまったようで、2年のブランクが悔やまれると言っていたけれど後の祭りです。
顔色の悪さと声に力がない以外げっそり痩せているわけでもなく、姿形はそれまでと何ら変わりなかったけれど、いとこには確かに最期が近づいているのです。
いとこは覚悟を決めて、最期を迎える準備をしているように見えたけど、そんないとこに来年のことを約束させようとする私の言葉に、彼はうつむいて肯くだけで耳にはまったく届いていないようでした。
ステージ4の人を目の前にして無責任なことは言えないけれど、希望だけは捨てないでいて欲しいとだけは伝えておきました。
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遠方に暮らしていることもあって、私たちは年に一度の年賀状のやり取りだけで随分と疎遠になってしまっていたにも関わらず、2年前、私がいとこの住む街の病院に入院することになった時には、快くあれこれと手を貸してくれました。
いとこの子供と私の子供の歳が近かったこともあって、お互いの子供たちが幼かった頃には、今よりは頻繁に行き来していたのだけど、子供たちの成長と共に、それぞれが忙しくなって、徐々に疎遠にはなってきたというモノの、それでも細くつながっていたおかげで、実家を頼りにできない私にとっては唯一頼りになる存在だったいとこ
そんないとこが今年の春にステージ4のガンであることがわかり、余命2年だと宣告されていたことを、彼の姉から聞いたのが9月の終わりのことです。
滅多に私のところに電話などしてこないいとこの姉が、いとこの家族全員と一緒にうちに来ると聞いた時は、高齢である私の母の先行きを思って、今度いつ会えるかも知れないからという名目だったのだけど、そんな事情で実は、いとこ自身が今のうちに色んな人に会っておきたいという思いを知りました。
そのいとこたち家族が、雨の降りしきる中、成長した彼の息子の運転で我が家へやってきたのが今日の昼近く
私はいとこの姉から彼の病状や余命のことは9月の終わりに聞いていたのだけど、本当はいとこから口止めされていたことで、私は何も知らないことになっていました。
彼らは予定通りの時間にうちに着いて、玄関先で彼を迎えた時には、私はどんな顔をしていいのかわかりませんでしたが、明らかに覇気がない彼の顔を見て、「なんや〇〇君、顔色悪いな」と言ってしまいました。
人の様々な事情について、知ってて知らん顔をすることは、相手を思いやる意味で大事なことだと先日もブログで書いたことだけど、いとこのあの顔色を見て力のない声を聞いたら、さすがに知ってて知らん顔もできず、正直者の私はつい正直な思いが口からでてしまったというわけです。
だけど、久しぶりに彼の顔を見て、迂闊にも開口一番私が言ってしまった言葉が、彼にとっては病気のことを告白しやすいムードになったのか、「実は俺なぁ、ステージ4のガンなんや。あと2年しか持たんらしい。来年は来れんかもしれんと思ってな」と、ついに彼の口からその事実を聞くことになったのです。
今日彼の口から聞いたことは、すでに全部彼の姉から聞いていたことです。
それを今日初めて聞くような顔をして彼の口から聞くのも苦痛なことでした。
病気や余命のことから始まり、今どんな治療をしていて、3月には6人目の孫が生まれることも聞きました。
いとこは顔色も悪かったし声に力もなかったけれど、お昼に洋食屋で食べた炭火焼ビーフハンバーグランチは、「美味しい、美味しい」と言って全部平らげていたし、帰りしなうちで用意していたシュークリームも美味しそうに紅茶と一緒にパクパクと食べていて、この先に起こるだろうことが信じられないほどでした。
彼は以前勤めていた会社を退職した後、2年ほど健康診断を受けていなかったらしく、その2年の間に病気がどんどん進行してしまったようで、2年のブランクが悔やまれると言っていたけれど後の祭りです。
顔色の悪さと声に力がない以外げっそり痩せているわけでもなく、姿形はそれまでと何ら変わりなかったけれど、いとこには確かに最期が近づいているのです。
いとこは覚悟を決めて、最期を迎える準備をしているように見えたけど、そんないとこに来年のことを約束させようとする私の言葉に、彼はうつむいて肯くだけで耳にはまったく届いていないようでした。
ステージ4の人を目の前にして無責任なことは言えないけれど、希望だけは捨てないでいて欲しいとだけは伝えておきました。
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