危うく忘れるところだった母の誕生日

今朝

いつものスーパーへ
土曜朝市に行こうかどうしようか迷って

新聞のチラシを確認したけど
大してほしいものもなかったので
明日の日曜朝市に行くことにして

そのことを
母に伝えるために
朝早くに実家に電話をしたのです。

すると
母は
「おぅ　そうか
　それなら欲しいものだけ言っておく」

そう言って
母の欲しい食材をメモに取り
そそくさと電話を切ってから

ふとカレンダーを見上げたら
今日は母の誕生日


慌てて電話をかけ直し
「母ちゃん
　今日８０歳の誕生日やったなぁ
　おめでとう

　後からケーキ買って持って行くわぁ」
と言うと

母は
「いいわぁ　
　そんなモノ～」
と言いながらも

毎年
こんな風に
極々ささやかに祝っている
母の誕生日を

母は
多少期待していたのでしょう。

建前だけは遠慮していたけれど
嬉しそうな母の声でした。


しばらくしてから
ケーキを買って実家を訪ね

母と一緒に
コーヒーを飲みながら
買っていったケーキを食べ

少しの間
他愛もない会話をしていました。


帰る間際

玄関まで
私を送り出しにきた母は

私が話したちょっとしたことに
ひどく反応して

おしっこをちびるほど
顔をくしゃくしゃにして大笑いして

「あ～あ
　せっかくアテント替えたばっかりやに
　またベタベタになってまったぁ」
と言ってから

まだ一人で大笑いしながら
トイレの方向へ
よぼよぼと歩いていくのでした。



危うく忘れるところだった母の誕生日

母の大笑いをもって
無事に祝うことができました。


やっぱり
こんな母の顔はいいですねぇ




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